不登校、いじめ、キレる子どもなど、子どもの心の問題について、教育現場と研究者が連携して解決していく「子どもみんなプロジェクト」。問題行動に特化するのではなく、その背景にある心の育ちに注目し、子どもたちを理解し、支援しようとするものです。そのキックオフシンポジウムが2016年1月30日に、文部科学省講堂で開催されます。
「子どもみんなプロジェクト」に参加するのは、文部科学省と9つの大学(大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学・鳥取大学・弘前大学・兵庫教育大学・武庫川女子大学)、参加大学のある自治体の教育委員会などです。プロジェクトでは、教育現場で起こっている子どもの問題を数だけでなく、背景、原因、心の発達との関連などについて情報を収集し、その検討会を教育者と研究者で定期的に開催するほか、子どもたちの情動の爆発的な表出にどのように対応するのか、内在化したストレスをどのように把握し対応するのかという問題について、教育現場に蓄積されたデータを個人情報に配慮した上で研究者に公開し、研究や検証を進め、科学的根拠のある支援プログラム、教材、教員研修プログラムの開発を行います。
連携する大学は、これまで子どもの発達と教育についての基礎研究と実践活動を進めており、金沢大学では、2010年から当事者、家族、市民、専門家が自由に集える「自閉症カフェ」を金沢市内で隔月に開催、千葉大学では、学校での発達段階に応じたメンタルヘルス増進を支援する教育研究、弘前大学では、5歳児発達健診における発達障害の早期発見と継続的把握・支援などが行われています。
今回開催されるキックオフシンポジウムでは、プロジェクトの重要性や効果などを専門家がわかりやすく解説してくれます。参加費は無料ですが、事前の申込が必要です。定員は300名。