高校3年生男子の5割、女子の6割以上が将来、就きたい職業を持っていることが、文部科学省が実施した第18回21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)で分かった。中学3年生時点の回答に比べ、自分の興味にあう職業の割合が減り、失業の恐れがないなど安定志向がやや増加している。
この調査はは厚生労働省が2001年から実施していた経年調査を2017年から文科省が引き継いだ。2001年に出生した子供のうち、1月10~17日と7月10~17日に生まれた全国約2万5,000人を対象にしている。
調査によると、休日の勉強時間について、3時間以上勉強する者の割合が36.4%とこれまでで最も高くなった一方「しない」者も前回(平成30年調査・17歳)よりもやや増加し30.3%と最も高く、二極化していることがわかった。勉強時間は進路希望別に状況が大きく異なっており、大学又は大学院への進学を考えている者では、6時間以上勉強する者の割合が前回より大幅に増加しているが、他の進路の者では「しない」者の割合が増加している。
将来の進路については男子の51.1%、女子の53.9%が「大学卒業後に働く」と答え、最も多かった。就きたい職業が決まっているのは、男子の55.7%、女子の67.3%。希望する職業は男子の24.2%、女子の39.7%が「専門職・技術職」と答え、最多だった。
その職業に就きたい理由は「自分の興味や好みに合っているから」が最も多く、男子の63.8%、女子の72.8%を占めたが、中学3年生時点にそう回答した男子73.3%、女子82.0%に比べ、少し減少している。
逆に増加が見られたのが「失業の恐れがないから」で、男子は中学3年生時点の13.0%が16.6%、女子は13.4%が19.5%に上昇していた。大学進学を間近に控え、安定志向が顔をのぞかせているようにも見える。
第一志望の進学希望先は私立大学、国公立大学、専門学校、短期大学・高等専門学校の順に割合が高かった。男女別で見ると、私立大学、国公立大学は男子、専門学校、短期大学・高等専門学校は女子の希望者の割合が大きい。