人間総合科学大学のヘルスフードサイエンス学科では、高校生を対象に、食のアイデアを募集する「第2回食のアイデアコンテスト」を実施。その結果を発表した。
総務省が発表した2020年5月の家計調査(2人以上世帯)で、消費支出に占める家庭内食(内食)の比率が24.3%と、比較可能な2000年以降で過去最大となった。また、コロナ禍の巣ごもり需要により家庭調理のニーズは大幅に高まり、日々の食卓の栄養バランスやバリエーションも課題となっている。一方、飲食店で使用されるはずだった食品は消費されず、余剰食材として廃棄されるなどの報道も多いが、食品ロスの約半数は一般家庭からの排出といわれており、期限切れの食材や食べ残しが増加。多方向からの「食品ロス」が深刻化している。
そこで、人間総合科学大学は、2回目となる「食のアイデアコンテスト」のテーマを、コロナ禍で需要がより高まった保存食を取り入れる「保存食材を使った簡単アレンジレシピ」と、社会的な課題となっている「家庭で食品ロスを減らすには?」に設定。2020年6月~7月まで全国の高校生からそれぞれアイデアを募集。寄せられた212件のアイデアを人間総合科学大学の教員が審査し、受賞作品を決定した。
「保存食材を使った簡単アレンジレシピ」の最優秀賞は、静岡県立伊豆総合高等学校3年生高橋直美さんの「簡単!時短!おいしい素麺!」。あさりの缶詰めと干ししいたけを具にしためんつゆベースの簡単そうめんで、一味や七味、ショウガ、青じそ、梅肉といった薬味によって味の変化を楽しめるのが特徴。「すべての食材が保存食由来である」、「全国どこででも手に入りやすく価格が安い」、「片付けまで10分で済む」、「アレンジが豊富でそうめん以外にも応用可能」といった点が評価されての受賞となった。
「家庭で食品ロスを減らすには?」は、埼玉県立蕨高等学校3年成田幸平さんのアイデア「冷蔵庫に貼る付箋の活用法」が最優秀賞を受賞。冷蔵庫の表面に付箋を貼る従来の方法では、付箋に書かれた食材が冷蔵庫のどこにあるか探すのが面倒なため、表面ではなく、その食材がある位置(野菜室など)に、それぞれ付箋をしおりのように挟むことを提案。このアイデアについて、「冷蔵庫に付箋を貼るアイデアはネットなどにたくさん出ているが、成田さんは貼る場所や書く内容を自分で実証しながら工夫していたところがとてもよかった」と評価した。
人間総合科学大学のヘルスフードサイエンス学科では「人間の総合理解」を基盤に、食育から食の安全・安心、食品・食材に関するリスク管理など、食産業での総合マネジメントまでの知識・技術・実践力を持つ、社会に求められる人材を養成している。