千葉商科大学(千葉県市川市)人間社会学部では、2016度より学部教育の一環として、千葉県北東部の山武市との連携活動を本格的にスタート。その第1弾として、同市で行われる「さんむ田んぼアートプロジェクト」(主催:さんむ田んぼアートPROJECT)の運営に、社会福祉学の勅使河原准教授 研究室の学生らが参画し、農・食・アートから生まれる街おこしを学ぶ。
“田んぼアート”とは、田んぼをキャンバスに見立て、色とりどりの種類の異なる苗を植え、稲で大地に絵を描くものである。春に植えた苗がゆっくり色づき、絵の全貌が現れ、秋には実った稲を収穫するのだ。
今回のプロジェクトは、東日本大震災の再生のシンボルとして、2014年に福島県相馬市・千葉県山武市・神奈川県横浜市に暮らすメンバーが連携し、「大地を繋ぐ田んぼアートプロジェクト」が相馬市で行われたことが始まり。その活動をきっかけに2015年、山武市で「さんむ田んぼアートプロジェクト」がスタートし、現在は2020年の東京オリンピックを見据え、世代や地域、国籍の垣根を越え、農業を体験し、食やアートを通じて交流すること目的としている。
2014年度に開設された人間社会学部は、社会課題をソーシャルビジネスで解決する人材の育成を目指しており、今回のような連携活動を通じて学生が街づくりに参画することで、アクティブ・ラーニングを実践することが狙いである。一方山武市は、学生らの若い世代が持つ柔軟な発想や積極的な行動を地域の活性力として活かしたい考えだ。
「さんむ田んぼアートプロジェクト」では、2016年4月16日に“田んぼアート”に使用する苗の種まき行われ、今後は、5月28日「はじめる田植え」、7月「めでる田んぼ鑑賞祭」、9月「いろいろ稲刈り収穫祭」といったイベントが予定されている。また2016年6月19日に開催されるオープンキャンパス(10時~15時、入退場自由)においても、プロジェクトの写真が展示され、直接説明を聞くことができる。
なお、山武市と同大学は、勅使河原准教授を中心とした東日本大震災自主避難者の支援活動と、市が行っている東北被災地への復興支援事業についても2015年3月より連携して取り組んでおり、2016年3月には、同学部3年の平良延大さんが山武市「さんむグローバルセンター」の理事にも就任するなど、共に様々な活動を行っているという。