日本私立大学連盟・国際連携委員会は、121の加盟大学における留学生受入・派遣動向について調査した「国際教育・交流調査」の結果を発表した。日本学生支援機構(JASSO)「平成27年度留学生調査」結果の提供によるもので、①外国人留学生受入状況(2015年5月1日現在)②日本人学生の海外派遣(単位授与を伴う・2014年度実績)について調査している。
外国人留学生の受入については、2015年5月1日現在の総受入数は学部2万2,370人、大学院9,227人、合計3万2,518人(前年比1,401人増)。交換留学生の出身国数は144か国となった。
国籍別では1位中国・2位韓国と目立った変化は見られないが、韓国からの留学生数が若干減少。一方でベトナムが2013年度から増加を続けている。
地域別でみると東アジア・東南アジアで全体の90%以上を占め、特に東南アジアの増加が顕著となっている。交換留学については前年比170人増の834人。国籍は中国がもっとも多く、アメリカ、フランス、韓国、台湾が続く。
日本人学生の海外派遣の2014年度総数は2万8,608人(前年比5,025人増)。留学期間については協定制度あり・なしともに「1か月未満」が学部・大学院ともにもっとも多く、合計すると全体の58.8%にのぼる一方で、「1年以上」は1.4%にとどまった。
派遣先はアメリカ・カナダ・英国の上位3ヶ国で全体の47.6%を占める。地域別の派遣数は順位に大きな変動はなく、英語を第一言語とするアメリカ・カナダ・英国・オーストラリアで全体の約6割となっている。一方で韓国や台湾、シンガポールなどが数を伸ばしており、学生が留学先にアジアを選ぶ傾向がみられる。
以上から、外国人留学生受入数・日本人学生の海外派遣いずれも増加の傾向にあることがわかった。外国人留学生の受入については国の施策もあって増加が見られ、特に東南アジアからの留学生数が伸びを見せている。日本人学生の海外留学をみると、1ヶ月未満の短期のものがもっとも多く、留学先として選ぶ国は英語圏が変わらず人気である一方で、アジアへの留学も増加傾向にあるという結果となった。