北海道教育大学、愛知教育大学、東京学芸大学、大阪教育大学の4大学による連携事業「HATOプロジェクト」において、北海道教育大学の主体で実施している「演劇的手法による教員養成課程の学生並びに現職教員のコミュニケーション能力育成プロジェクト」の書籍『〈教師〉になる劇場』が、2017年2月、フィルムアート社から出版された。
「HATOプロジェクト」は、大規模教員養成系単科大学である北海道教育大学(H)、愛知教育大学(A)、東京学芸大学(T)、大阪教育大学(O)を中心に、教員養成教育が共通して抱える諸課題を協働で解決できる体制を整備するとともに、全国の教員養成系大学・学部とのネットワーク化を図り、日本における教員養成の高度化支援システムを構築することを目的としたプロジェクト。
その中のひとつの取組みが、北海道教育大学が主体で実施している「演劇的手法による教員養成課程の学生並びに現職教員のコミュニケーション能力育成プロジェクト」だ。2011年度から2013年度の3年間、文部科学省特別経費「演劇的手法による教師教育プログラム開発」事業において、倉本聰氏主宰の演劇集団「富良野グループ」と連携し、「役者養成に用いられている様々なアクティビティを、どのように教師向けのプログラムに応用・転用できるか」という視点から教員養成のためのカリキュラム開発を行ってきた。その経験を活かし、教育方法として「演劇的手法」に着目しているのが特徴といえる。
書籍では、プロジェクトの共同研究者及び研究協力者が、これまでのHATOプロジェクトでの研究成果を踏まえた理論的背景の考察を通して、それぞれの視点から<演劇×コミュニケーション×教育>という新しい方法論とその可能性について、今後の展望を示すものとなっている。