昭和女子大学は、米マサチューセッツ州にある海外キャンパス「昭和ボストン」で学生のためのアドバイザリー・システムを本格導入した。今秋再開した渡航留学でも学生一人一人にアドバイザーがつき、学習や生活など多面的にサポートしている。
昭和女子大学で30年以上の歴史を持つ「昭和ボストン」への留学だが、コロナ禍のため2020年9月からオンラインに切り替わった。現地教員が日本時間に合わせてこれまで通りの授業を実施したものの、学生とのコミュニケーションについては対面と同じにはいかない。そこで学生一人一人にアドバイザーがついて、個々の学習や生活の悩みに対応する体制を整えた。1年後、2021年10月には渡航留学が再開し、131人が対面、89人がオンライン留学を選択。そこでアドバイザリー・システムを対面の学生にも適用し、コロナなどへの不安に対応した。
アドバイザーを務めるのは経験豊富な教職員だ。英語に苦手意識のある学生には日本語・英語両方を話せるアドバイザーがつき、学習だけでなく生活や友人関係の悩みにも対応する。また英語圏での生活に欠かせないEメールの書き方や礼儀、異文化理解、タイムマネジメントなどのスキルを学ぶワークショップも開催している。さらに、寮生活のサポートをする「レジデントアシスタント」とも連携し、必要なときに必要な専門家がサポートできる体制を整えている。
スチューデントサービスのアシスタント・ディレクターで、アドバイザーをまとめるリー高橋美代さんは、「日本からボストンに来て1か月余りが経ち、ホームシックなどで悩む学生が増えています。一方、オンライン留学を選択した学生が『渡航すればよかった』とモチベーションを維持するのに悩む場面が見受けられます。一人ひとりの悩みに寄り添って、よりよい学習を実現できるようサポートしていきます」と話している。