昭和女子大学は、創立100周年事業の集大成として正門をリニューアルした。校章の桜を思わせる繊細な構造の門扉が、優雅な弧を描いて開閉する意匠が特徴。卒業生で建築家の永山祐子氏が設計を手がけた。
今回リニューアルした正門のデザインコンセプトは、中と外を隔てるのではなく、世の中と大学内の世界を「つなげる」ための門であること。白いレースのような繊細な構造の門扉は開閉のたびに弧を描き、年代、国籍問わず訪れる人を温かく迎え入れる。「世の光となろう」という大学のミッションのように光が包み込むデザインは、門を閉めると四季折々に表情を変える植栽を抱き「ポケットパーク」としても利用できる。
設計を手がけた永山氏は1998年に昭和女子大学 生活科学部 生活美学科(現:環境デザイン学部 環境デザイン学科)の卒業生で、現在はドバイ国際博覧会日本館や2025年大阪万博でパナソニックパビリオン「ノモの国」を担当するなど国内外で活躍している。これまで昭和女子大学学生ホールも手掛けている。
今回の設計にあたって永山氏は「在学中の課題で『学生会館を正門に作り、秘密の花園のようなイメージのある女子大学だが、中でみんなが元気いっぱいに活動していることを社会に向けて発信する』提案をしたことがあります。社会と大学をつなげるための門として、その思いを今、形にすることができてうれしく思います」と在学時からの念願を叶えた喜びを語った。