国際電気通信基礎技術研究所の宮下敬宏インタラクション科学研究所長、大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授らの研究グループは、河野太郎デジタル相のサイバネティック・アバターを開発した。年内にアバターの効果を測る実証実験を予定している。
科学技術振興機構によると、サイバネティック・アバターは人間の分身となり、人の身体能力や認知能力、知覚能力を拡張するロボットアバターや3Dアバターの総称。開発されたアバターは外見が河野デジタル相そっくりのロボットで、離れた場所から自分の身体のように動かせる。
アバターを用いると操作者が現場に出向くことなく、活動に参画できて業務の効率化や生産性の向上が期待できる。しかし、アバターがしたことを本人がやったこととみなすべきかどうかについては議論の余地が残っている。さらに、アバター利用に関する社会の制度設計は、専門家だけでなく、より多くの人に加わってもらう必要があると考えられている。
実証実験ではアバターを用いることで本人が来て話していると感じられるか、言葉がこれまで以上に届きやすくなるかなどを測定する。研究グループは実証実験の結果も踏まえて、アバター利用に必要な社会規範の検討に取り組むことにしている。
参考:【科学技術振興機構】河野太郎大臣のサイバネティック・アバターについて ~年内に実証実験、社会利用に向けた課題を検討~