日本や朝鮮半島、中国北部に生息するヘイケボタルが発光の際にミリ秒レベルのまたたきでコミュニケーションしていることを、中部大学応用生物学部の高津英夫研究員、大場裕一教授、慶應義塾大学理工学部の南美穂子教授が発見した。
中部大学によると、研究グループは愛知県東浦町の水田でヘイケボタルをビデオ撮影し、その動画を分析したところ、草に止まっているヘイケボタルの「オス」「未交尾のメス」「交尾済みのメス」で発光パターンが異なっていることを見つけた。
オスの発光がミリ秒レベルのまたたきを伴う点滅を繰り返すのに対し、未交尾のメスの発光にはまたたきがなく、交尾済みのメスにはオスのようなまたたきがあった。さらに、人工的にヘイケボタルの発光と同じ黄緑色に光る装置を作り、生息地に置いたところ、未交尾のメスと同じ発光パターンにオスが引き寄せられていることが明らかになった。研究グループはオスが交尾相手を探すのに、またたきをしない発光で見分けているとみている。
ホタルの成虫はこれまでの研究でオスとメスが発光でコミュニケーションすることが分かっているが、日本固有種のゲンジボタルの発光にまたたきがないのに対し、ヘイケボタルの発光にまたたきが存在する理由は分かっていなかった。