実践女子大学は、2024年4月、国際学部を創設する。また、人間社会学部に社会デザイン学科を新設。現代社会学科をビジネス社会学科に名称を変える。学部の新設は2004年度に人間社会学部を新設して以来。これにより2024年度から渋谷キャンパスは文学部(国文学科、英文学科、美学美術史学科)と人間社会学部(人間社会学科、ビジネス社会学科、社会デザイン学科)、国際学部(国際学科)の3学部7学科に移行する。
国際学部 国際学科は英語をはじめとした外国語の運用能力のほか、異文化・多様性への理解やグローバルな視野を併せ持つ女性人材の育成を目指す。専門分野に「言語・コミュニケーション科目群」「国際文化科目群」「日本文化科目群」「地域・観光科目群」など科目群を充実させ、全員2年次に3カ月以上の海外留学を必修とする。
将来の活躍の場として国際性や専門性を生かした海外営業や貿易実務、海外スタッフなどを想定しており、キャンパス外での学びとして羽田など国際空港で来日する外国人のサポートや、国内の高級リゾートホテルでの業務体験といったプログラムも検討している。
人間社会学部 社会デザイン学科はデザイン思考のスキルや知識を身につけ、社会的課題の解決に貢献できる女性人材の養成を目指し、「共創デザイン系」「ソーシャル・データサイエンス系」「メディア・イノベーション系」の3つに系統立てたカリキュラムを設定。最先端のデータサイエンスや人工知能(AI)、IoT、ビッグデータ、ソーシャルメディアなどの知識を深め、スキルを磨くことで卒業後はシンクタンクやマスコミ、IT・情報系などの分野で活躍できる力をつける。
また、現代社会学科から名称を変更する「ビジネス社会学科」は、名称変更を機に、カリキュラムを「社会フレーム系」「経営・マーケティング系」「グローバル社会系」の3系統に再編成する。
実践女子大学の学祖、下田歌子は、1893(明治26)年9月から1895年8月までの約2年間、明治政府の命を受け欧米8カ国を教育視察し欧米の女子教育に感銘を受けた。帰国後、一般女性も学べる「実践女学校」を創立するとともに、多くの清国留学生を受け入れた。グローバルな視野と社会感覚を持った女性として時代に先駆けた下田歌子の理想は、125年の時を経て2024年度新設の「国際学部」と「社会デザイン学科」にも受け継がれる。
難波雅紀学長は設置構想にあたり「学祖の精神を受け継ぎ、“国際”の名を冠した学部・学科を新設します。また、複雑な現代社会においては、データサイエンスや共創デザイン等の幅広い知見から問題を発見し、解決できる能力が必要です。人間社会学部に新設する社会デザイン学科では、“社会連携”による問題解決型学習(PBL)を通して、そうした能力を磨き、実践力を身につけた人材を育成していきます」とコメントしている。