国内の大学を3月に卒業した学生の就職率が4月1日現在で97.3%に達し、3年ぶりに改善したことが、厚生労働省、文部科学省の共同調査で分かった。人手不足が深刻さを増す中、コロナ禍からの回復で企業の採用意欲が高まったためとみられ、売り手市場の傾向が強まっている。
調査は全国の国公私立大学、短期大学、高等専門学校、専修学校専門課程計112校の6,250人を対象に実施した。
それによると、大学生の就職率は過去最高だった2020年3月卒業生の98.0%に及ばなかったものの、前年同期を1.5ポイント上回った。内訳は国公立大学が97.4%(前年同期比1.3ポイント増)、私立大学が97.2%(同1.6ポイント増)だった。
文理別でみると、文系が97.1%(同1.7ポイント増)、理系が98.1%(同0.7ポイント増)で、男女別は男子が97.3%(同2.7ポイント増)、女子が97.3%(同0.2ポイント)。地域別で最も就職率が高かったのは、中国・四国地区の98.6%。前年同期に比べ、6.4ポイントの大幅増を記録している。
大学生以外の就職率は、短大生が98.1%(同0.3ポイント増)、高専生が99.2%(同0.1ポイント増)、専修学校(専門課程)生が95.7%(同1.0ポイント増)。大学、短大、高専、専修学校専門課程を併せた全体だと、97.3%(同1.3ポイント増)となっている。