筑波大学は開学50周年を迎えたのを機に、新たな社会価値を生み出してより良い未来を創造する「IMAGINE THE FUTURE. Forum事業」をスタートさせ、産学連携の新拠点を整備する。
筑波大学によると、新施設を整備するのは茨城県つくば市吾妻の筑波大学職員宿舎敷地約3万3,000平方メートル。施設内に企業が研究所を開設し、筑波大学の知見を活用してビジネス創出まで開発研究を進める。
さらに、ドローンなどの実証実験が可能な縦横100メートル×70メートル、高さ22メートルのスペースを設ける。施設の整備には大学債の発行で調達した約200億円などを活用する。企業は固定資産を取得することなく、研究所を維持できる一方、筑波大学としても産学連携による研究の促進で研究力向上が期待できる。
日本経済は「失なわれた30年」と呼ばれる低迷が続いている。GDP(国内総生産)は米国、中国に次ぐ世界3位にとどまっているものの、スイスの国際経営開発研究所がまとめた世界競争力ランキングは2023年で過去最低の35位まで下がっている。
筑波大学はこの原因の1つをイノベーションの不足と考え、「IMAGINE THE FUTURE.」をスローガンに新たな社会価値の創出を目指している。この目標を事業化するのが、今回の産学連携新拠点の整備で、学際性を発揮した総合的な研究力で企業や社会の課題を解決し、社会実装に結びつけることを目指す。