早稲田大学理工学術院の石井裕之准教授と早稲田大学大学院発のロボティックスベンチャー株式会社Genicsは、共同で次世代型全自動歯ブラシの開発に成功した。2019年1月8日~11日の4日間、アメリカ・ネバタ州ラスベガスで開催された世界最大級の家電・エレクトロニクス技術展示会「CES2019」に出展した。
CES「Consumer Electronics Show」は、1967年から続く世界最大級のテックトレードショー。家電だけでなく自動運転、スタートアップ、スポーツなども参入し、現在ではイノベーションのハブとして位置づけられている。
開発中の次世代型全自動歯ブラシは、手磨き動作を伴わずに短時間で全ての歯を自動で磨けるもの。歯列形状に沿ってマウスピースに植えらえたブラシが小型モーターによって前後左右に動き、同時に複数の歯の歯垢を除去する。短時間で歯の裏側まで効率よく磨けて、歯垢除去率は手で磨いた場合と同程度だという。
歯磨きは、虫歯予防だけでなく、心臓病など様々な疾患の原因となる歯周病の予防に繋がるが、現代社会において多くの人が歯磨きに必要なスキルの不足や時間の不足が課題となっている。また、高齢者や上肢に障害を有する障害者など、自力で歯磨きができない人も多い。この全自動歯ブラシで、「簡単に確実に歯をきれいしたい」というニーズに応える。
今回の出展を通じて、開発資金の調達、量産化パートナー・協業パートナーおよび市場開拓を目指す。今後実証実験を重ね、2019年度中には試験販売を実施する予定。
株式会社Genicは、本社を早稲田大学インキュベーションセンター内に構える早稲田大学発ロボットベンチャー企業。2018年4月、「ロボット技術によって、より便利かつ健康で豊かな社会」の実現を目指し、代表取締役の栄田源氏が起業した。
参考:【早稲田大学】“口にくわえるだけ” で通常の歯磨きと同じ効果 手による磨き動作不要の次世代型全自動歯ブラシの開発に成功