琉球大学、京都大学、沖縄科学技術大学院大学と国立環境研究所は、外来アリであるヒアリの侵入防止や防除を目的とする共同プロジェクトをスタートさせた。2019年5月15日に沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学にプロジェクトメンバーが集まり、キックオフミーティングを開く。
沖縄科学技術大学院大学によると、共同研究では琉球大学がヒアリを効果的におびき寄せる技術を開発するほか、京都大学がウイルス感染による誘因効果の影響を研究。国立環境研究所は簡単に外来アリを見分け、駆除する技術を開発し、沖縄科学技術大学院大学はこれら防除システムの社会実装と外来アリモニタリング技術を沖縄県で試行する。
ヒアリは南米原産の外来アリで、アルカロイド系の毒を持ち、「殺人アリ」と呼ばれることもある。人が刺されて死ぬことはまれだが、アレルギー反応やじんましんの重い症状を引き起こす可能性を持つ。
日本へは2017年に神戸市で初上陸が確認され、2018年10月現在14都道府県で延べ約1万匹が見つかっている。ヒアリが既に生息している中国などから運ばれてきたコンテナとともに日本へ上陸してきている。野生巣の発見はまだないものの、大阪市では2,000匹以上が見つかり、港の作業員が刺される被害が出ている。
プロジェクトに参加する沖縄科学技術大学院大学の吉村正志博士は「人やモノの国際移動がこれだけ発達した時代だけに、社会全体で対策を講じる必要がある」とのコメントを発表した。