2020年3月9日、早稲田大学は現在世界中で蔓延している新型コロナウイルスの感染に対応するため、4月1・2日に予定しされていた入学式を中止することをホームページ上で発表した。さらに、2020年度の授業開始も、予定した4月6日(月)を早くとも4月20日(月)以降の開始になるよう繰り下げを決めた。
入学式を中止したことに関して、早稲田大学の田中愛治総長は「入学式とは、早稲田大学に新たに加わる新入生の皆さんが、これからはこの大学で学ぶのだという思いを再確認する場です。それが、自身の将来に向かっての夢を育むための第一歩となります。その入学式を中止せざるを得なかったことは、残念でなりません。皆さんの落胆のお気持ちは、わたしたち早稲田大学の教職員の何十倍でもあろうことが容易に想像できますだけに、たいへん申し訳なく思っております」とコメントを残した。
また、授業開始日の延期に関して、早稲田大学には年間約8000名の留学生が学び、4000名以上の在学生が海外に留学し、その生徒たちの多くは春休みを海外で過ごしている。そのため、授業が4月6日に始まると、3月中旬に日本に入国・帰国しなければならず、大きな不安を与え健康リスクを引き起こす可能性を考慮し、今回の決断に至ったとされる。
早稲田大学は、今回の入学式中止を受け、改めて総長から新入生への歓迎メッセージを4月1日にホームページに掲げると発表した。新型コロナウイルス感染の広がりなど社会的不安も多い時期だが、学生らしく冷静に判断して行動することを呼びかけている。