公立大学法人県立広島大学は、2020年10月23日、文部科学省から2019年10月31日付けで文部科学大臣に申請した叡啓大学の設置が認可されたことを発表した。今後2021年4月の開学に向け、学生募集等の準備を進める。
広島県広島市に開学する叡啓大学(Eikei University of Hiroshima)は、ソーシャルシステムデザイン学部・ソーシャルシステムデザイン学科を設置。社会を俯瞰する視野を持ち、他者との協働のもと、文理の枠を越えた知識やスキルを組み合わせて課題の解決を図り、新たな価値を創り出すことのできる人材を育成することを目的としている。
学長を務めるのは、現在、国立大学法人東京大学大学執行役・副学長の有信睦弘氏。特色として、企業等が実際に直面している課題に対して、学生がチームを組み、事前学習やグループワーク、現地調査等を通じて、課題解決に挑むPBL(Project Based Learning:課題解決演習)や日英2言語による授業展開などが挙げられる。1年次の上半期で英語集中プログラムを実施し、英語で授業履修できるレベルまで英語力の向上を徹底する。またインターンシップ、ボランティア、留学など1回以上の海外体験を必須とする。
収容定員は400人で、1学年定員は100人。内訳は春入学の総合型選抜50人、学校推薦型選抜20人、一般選抜10人と、秋入学の留学生選抜20人となっており、一般選抜の割合は1割のみ。春入学の入学者選抜は、高等学校等の教育課程で習得した知識・技能と併せてコミュニケーション、探究心、学びや課外活動に対する姿勢などを多面的・総合的に評価する。
2021年度の入学者選抜では、全ての選抜区分において「大学入学共通テスト」を利用しない。英語の資格・検定試験のスコア、または高等学校等による英語力に関する証明書の提出を求める。
総合型、学校推薦型の出願期間は2020年11月4日~20日。第一次選考は書類審査、第二次選考は面接・グループディスカッションを実施する。一般の出願期間は2021年1月18日~2月1日。第一次選考は書類審査、第二次選考は面接と個別学力検査を実施する。
また、叡啓大学は、アフリカの発展を担うリーダー育成構想 “Ashinaga Africa Initiative(AAI:あしながアフリカ遺児高等教育支援100年構想)”を進めるあしなが育英会と、近く協定を締結する。実践力を培うカリキュラム「体験・実践プログラム」の履修先として、あしなが育英会の国内外の拠点(海外:アメリカ・イギリス・フランス・ブラジル・ウガンダ・セネガル)で叡啓大学の学生を受け入れ、インターンシップ・ボランティア活動に従事する機会を提供する。あしなが育英会は、AAIプログラムにより選抜される学生に対し、叡啓大学を積極的にPRし、本学への留学を希望する受験生を推薦する。これは、国公立大学では日本初の試み。