横浜市立大学大学院医学研究科 武部貴則准教授と株式会社電通が推進する「広告医学プロジェクト」は、2016年度、横浜市や若手アーティスト等と連携し、楽しみながら健康づくりができる3つのプロジェクト「Another Steps」「演劇クエスト」「宙(そら)」を始動させたことを発表。
「広告医学プロジェクト」とは、アートやデザイン、コピーライティングなどの広告的視点を医学のコミュニケーション手法に取り入れ、健康行動を自然に動機づける方法を研究するプロジェクト。始動したプロジェクトのひとつ、「Another Steps」は、手軽にできて運動効果の高い、階段の上り下りに着目。一日中ラボで研究に勤しむ研究者が、階段の上り下りの途中、世界50か国の天気情報をリアルタイムで得られ、“つい上りたくなる”気持ちを促すという健康階段。2016年4月に先端医科学研究棟内に設置され、今後、金沢八景キャンパスでも展開予定。
「演劇クエスト」は、患者のリハビリにスポットをあてた体験プロジェクト。患者が「冒険の書」を片手に院内を探索する「演劇クエスト 幻惑のリハビリテーション編」の試作品を制作。患者たちが、シナリオの選択肢にそって、屋上から駐車場まで、楽しみながら歩くことができ、リハビリ等の促進が期待できるというもの。2016年度は、金沢区などへの展開も検討。
「宙(そら)」は、現代美術アーティスト、曽谷朝絵さんのアニメーション作品「宙」を附属病院小児科待合の壁に投影し、患者を元気にするという取り組み。これは、病院内の診療や検査の待ち時間に、患者たちを元気づけるための「Cheerful Wall」プロジェクトの一環で、プロジェクトを通じ、待ち時間や処置時の負担軽減につながる手法の確立を目指すという。