リアルな企業の課題に、企業と共に取り組み、正解のない問いに挑む
2023年4月、経営学部を開設予定の大手前大学。目まぐるしく変化する社会のなかで、自分らしく働き、生き抜く力を身につける同学部の学びについて、経営学部設置準備室長で、学部長就任予定の北村雅昭教授に話を伺った。
経営学部の開設にあたっては、企業と同大学で構成する「人材育成構想会議」を発足、教育内容について議論を重ねたというから、同大学の本気度がうかがえる。
なかでも、カリキュラム最大の目玉といえるのが、約20社の企業と共同開発した、「産学連携PBL(Project Based Learning)」だろう。企業が現実に抱えている課題をテーマに、調査・分析・議論を重ねながら、解決策を探っていく。すでに、パートナー企業として川崎重工、サクラクレパス、ハウス食品、ワコールなどの企業が参加を表明しており、現実のビジネス社会とリンクした、ライブ感のある学びが実現する。「リーダーシップと問題解決」「経営戦略論」「組織行動論」「流通産業論」などの科目で導入される予定で、1年次から受講可能だ。
細かな流れは科目ごとに異なるが、全15回の授業を通じて、企業からの課題と講義を組み合わせて学んでいくのが特徴で、最終的に企業へ解決策をプレゼンするというゴールがあるため、目的意識をもって取り組むことができるという。
まず授業の前半で、企業が抱える課題について説明を受ける。その後、講義によって問題への理解を深め、課題解決に必要な知識や理論を学んでいく。並行して、グループでの調査・分析・議論などのワークを進め、解決策をかたちにしていく。最終的に、企業へのプレゼンを行い、フィードバックを受ける、という流れだ。企業の社員が授業に参加するため、提案内容次第では、実際に案が採用される可能性もあるそうだ。
「経営学は実践的な学問です。実社会に近い環境で学ぶことで力がつきますし、企業からのフィードバックは社会から認められた証として、学生たちの自信につながっていくはずです。さらに、働くことや企業活動について具体的に知る機会は、キャリアを考えるうえでも大きな刺激にもなると期待しています」
また、授業の最後にリフレクションと呼ばれる“振り返り(内省)”を行うのも「大手前方式」ならでは。やりっぱなしで終わらせるのではなく、経験のなかから自身の強みや興味・関心、使命に気づき、自分らしいキャリアを見出せるように工夫されている。
講義やグループワークでの“リサーチ(理論・研究)”、現実の企業課題に取り組むという“リアリティ(実際、実践)”、自身の成長につながる“リフレクション(内省)”という、3つのRのサイクルを回していくことで、人生100年時代を生き抜くキャリアの土台をつくる。
→新時代に不可欠なデジタル分野やキャリア分野を充実。さらに「経営学×好きなこと」で夢をかたちに
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